毎日、「運よくもっと幸せに暮らす」ための秘訣がつまった本
「今、この瞬間に集中する」、これが、幸せを感じて暮らす最大の秘訣だと私は思います。
「今という瞬間」を何度もくり返したものが人生ですから、今を楽しく過ごせる人は、当然それを積み重ねた人生全体も楽しいものになるでしょう。
どんなに楽しい状況が目の前にあっても、明日のこと、しなければならない仕事、憂鬱なことなどに心を奪われていては、意識が目の間にある楽しいことに向かいません。これでは、楽しいことが起きていないのと同じです。
この
「今に集中する」という方法は、夢を実現させる方法にも通じることです。
夢が実現するときは、誰でも「あのことがきっかけで実現した」とか「あの人との出会いがなかったら今の自分はなかった」という経験をしているはずです。
後から奇跡に近いようなことに感じますか、実はそのきっかけや出会いは、日常に起こる「ふとしたこと」が始まりなのです。
いつも目の前にあることに全力で取り組んでいると、この
「ふとしたきっかけ」が起こります。
どんなことでも、そこにプラスの気持ちで取り組むと、そこからプラスの反応が起こり、同じようなプラスの人や出来事を引き寄せるからです。
夢を実現している人の大半は、実現したから楽しそうなのではなく、実現する前から目の間のことを充実させて、楽しそうに暮らしていたはずです。
逆に言うと、目の前の現実を否定している人は、まだ否定したくなる現実を引き寄せます。
そして、夢を追っているときに、「夢が実現しなくては幸せになれない」と思ってしまえば、実現していない「今」は幸せではないということになるので、知らない間に「不幸な今」をイメージし続けていることになるのです。
毎日に幸せを感じながら、「よい展開」を起こしていくには、いつも自分の心を明るい状態(=マイナスなことに振り回されない平常心)にしておくことです。
本書にもあるように、イヤなことを思い出しただけで、急にすべてがつまらなくて憂鬱に感じることがありますよね。ただイヤなことを思い出しただけで、状況は数分前と変わっていないのに、です。
面白いことに、心が不快で満たされると、一時的に気分が悪くなるだけではなく、それと似たような状況を引き寄せ始めます。「類は友を呼ぶ」というのは、人だけではなく、状況にも言えることなのです。
「不快」な気持ちは、自分が間違った方向に考えようとしていることを知らせてくれるサインですから、たとえば、
・考えて答えの出ないことは考えるのをやめる
・モヤモヤした気持ちが通りすぎるのを待つ
・そういうときに大事な判断はしない
など、自分の心を「不快」から切り替えることが大事なのです。
一般的に「運がいい」とされている人は、この気持ちを切り替えるのが早いものです。
運のいい人とそうではない人に起こる出来事にそれほど違いはない、ただ運のいい人は、心を不快にしている時間が短いのです。
たとえば私は、本がスルスルと書けなくなったときは、気持ちが盛り上がるまで本から離れ、ほかの楽しいことに意識を集中します。すると自然とまた書きたくなったり、新しいことを思いついたりするのです。
心が「快」の状態になっているほうが、明らかに効率よく進むことがわかります。
誰にでも感情の起伏はあるのですから、気が乗らなくなったら、行き詰まったら、いちいちその原因を追求して気持ちを「不快」にするのでなく、そこからしばらく離れてみればいいのです。
同時に、心が「快」になることに意識を集中させます。それが本書の言っている「リラックスした状態」であり、
・好きなことをする
・うれしいことに意識を集中させる
・トラブルが起きた場合はその物事のよい面だけを考える
など、状況に応じて方法はいくらでもあるのです。
この方法は、大きな仕事の場合でも、日常生活の些細なことでも同じです。
たとえば、忙しい大企業の敏腕経営者ほど、心を「快」にする言動を自然と行っています。
トラブルが起きた時に、その物事のよい面を見てそこを伸ばそうとする、イヤな部分を考え続けて心を暗くしない、愚痴を言っている暇があったら今できる最善策を考える、つまり言い方を変えれば「不快」で心を満たさないようにしているのです。
どんなときも、今自分の気持ちがどのような状態になっているかを観察し、心が「快」となるように自然に考えていくことです。
思い出して憂鬱になることは思い出さない、今考えて答えの出ないものは一度脇においておく、行き詰まったら離れる……すべて、自分の心が「快」を感じるように行動していくだけです。
これは特に、イヤなことやトラブルが起きたときにこそ、効果を発揮します。大きなトラブルほど、実は自分に何かを教えてくれている大事なハプニング(出来事)だからです。
これを経験を通して納得すると、
起きている物事はいつも自分にとってベストである、とわかります。
後から振り返ったときに、「あれがなかったら、今の自分はなかった」と、その物事に感謝するようになります。
どんなことでも、あなたに起きていることは最高のタイミングで起きていて、あなたの生活をもっと幸せにするために起こっている、これに気づくには、本書にあるような「リラックスした考え方、心を快にする考え方」をしていくことなのです。
本書を書いてくださったリチャード・カールソンとジョセフ・ベイリーに感謝をこめて、皆様の毎日が、ますます幸せを感じるものでありますように。