11月3日(水)
今、ミラノのフォーシーズンズホテル。さっき着いたところです。
このホテルは、昔修道院だったところを改装して作られたという珍しいホテルだ。ロビーにあたるところも、バーやレストランの続きのような感じで、ホテルっぽくなくていい。
中庭をぐるりと囲むように客室やレストランが並んでいる。
アーチ型の回廊や、廊下の途中にかけてある飾り物など、当時修道院にあったものだろうな、と思わせる彫刻が多い。
客室の天井のライトが好きだった。
このイボイボ、遊び心、満載♪
窓の向こう、中庭を見下ろすと、正面には真っ黄色に紅葉した大きな木。右下にガラス張りのパテオ風レストラン。
夜の中庭
ホテル内をブラブラして、バーでお酒を飲む。ライチのお酒。
イタリアに来ても日本と同じようなものを飲んでいる。
11月4日(木)
ぐっすり眠れた。
朝、中庭にモヤがかかっていて、朝日がキラキラ。
朝の中庭
朝食は、右下ガラス張りのレストランで。
プレーンオムレツとほうれん草、
焼きトマト、ソーセージ、
フルーツヨーグルト、
クロワッサンとデニッシュを食べる。
ドゥオーモへ行った。ミラノのドゥオーモへ来るのは10年ぶりくらい。
壁や天井の隅々まで石像がへばりついている……すごいよねぇ、本当にすごい。途中で色が変わっているあたりは、今も修復中のところなんだろう。こうしてちょっとずつちょっとずつ、永遠に修復し続けるんだろうな。
中も、もちろん荘厳だった。
左右に連なっている祭壇で、シスターたちが静かにお祈りをささげている。
母「前は、ああいう姿を見るとひたすら敬虔な気持ちになったけど、最近は違う感覚だわ。」
帆「わかる〜。“きっとこの人たちは、これに縁があってこうなっているんだろう”みたいな感じでしょ?」
マ「そうそう。単に、それに縁があるというだけ」
たとえば、敬虔な信者にならなくても、天や神につながって感謝して暮らしている人はたくさんいる。
それはそれで素晴らしいし、逆にひとつの宗教に敬謙な人たちというのも、その宗教に縁があってそうなっているのだから、
それはそれでよい……そう思うと、より一層淡々とした気持ちで眺められる。
一度外に出て、頂上に登った。
塔の先端のひとつひとつに聖人の石像、壁の隙間という隙間、すべてに装飾がある。
学生のときに来たときは、ここまでの感動はなかったなあ。よく見ると、聖人の像に混じって、ベロの出た妖怪みたいなのもくっついている。
よく見ると、妖怪のような……
何百年もミラノの街を見下ろしているだろう石像。
下には空軍の飛行機。
石でできたこの植物が好きだった。
葉っぱのひとつが、
ツルが伸びた少し離れたところに
ついているのも、好き。
夕方まで買い物へ。
ちょこっとのぞいた路地裏には、ハッとする中庭が広がっている。こんなに素敵な中庭があるなんて美術館かと思いきや、たいていは住宅……。こっちの集合住宅って、中庭を囲むように作られていることが多く、壁の色や、石造りの柱やアーチが、まわりの景色とよくなじむ。
隣にいたスペイン人カップルも、同じようなことを話しながら写真を撮っていた。